子ども食堂や無料学習塾への食材提供からスタートした町田市内のフードバンクが組織化し、生活に困窮する高齢者やコロナ禍で失職した人などの支援にも乗り出している。
町田市社会福祉協議会(町田市原町田4)は昨年10月、「フードバンクまちだ」を発足。フードバンクTAMA、町田市立室内プールでフードドライブを実施する「協栄」、FC町田ゼルビア、明治安田生命町田支社などが参加する「フードバンクネットワーク」などから食材の寄付を受ける。集まった食材は、関係機関を通じて困難を抱える世帯に届けるほか、子ども食堂や生活困窮者を支援する地域活動団体にも提供している。
現在必要な食料は寄付でまかなえているが、需要の大きい米を求める。賞味期限が切れそうな食材は、日本もったいない食品センターが運営する「エコイート町田店」(忠生3)で販売してフードロスを防ぐ。課題は、食材提供を受け付ける窓口が町田市民フォーラム内の同協議会にしかないこと。「市内数カ所に拠点がほしい」と担当者。
フードバンクネットワークに参加する「フードバンク鶴川」は2月に発足。鶴川市民センター内の鶴川地区協議会(大蔵町)が運営する。発足以前はNPOの運営でフードバンク事業を手掛けてきたが、地区協議会が担うことにより、構成団体である地区内の自治会・町内会、PTA、学校、民生委員などを通じて情報を受発信。広くから十分な食材を集め、構成団体を通じて把握した世帯に食材を届ける。賞味期限が切れそうな食材はLINEの情報発信で受け皿がすぐに見つかるため、フードロスはないという。現在の活動課題は、今すぐに食料を必要とする人へタイムリーに食材を届けること。「仕組みを検討していきたい」と担当者。
両団体ともに、コロナ禍が長引くなかでフードバンクの役割が大きくなると想定。食材の寄付やサポーターを募集している。