白洲次郎生誕120年で写真集「写真家 白洲次郎の眼 愛機ライカで切り取った1930年代」が5月11日、小学館から発行された。
白洲次郎は1902(明治35)年、貿易商の次男として生まれ、ケンブリッジ大学に留学。帰国後、英字新聞記者を経て商社に勤務。第二次世界大戦で日本の敗戦を見抜き、旧鶴川村(現町田市)に移住、農業に従事した。戦後は連合国軍総司令部(GHQ)支配下の日本で、吉田茂の側近として活躍し、貿易庁の初代長官に就任。英国仕込みのカントリージェントルマンとしての生き方を貫いた。83歳で死去。
写真集は、「もしも写真家・白洲次郎が現代にその写真集を出すとしたら」を編集コンセプトに据え、30代の白洲次郎が商用で欧米に長期滞在した際に撮影した約400カットの未発表モノクロ写真から、「MASAKO(正子)」「CRUISE(クルーズ)」「UNITED KINGDOM(ユナイテッド・キングダム)」など、テーマや被写体、撮影地ごとに区分。愛用のライカや旅行鞄、服飾品の紹介、エッセイも挿入する。
「後に彼を戦後処理に担ぎ出す吉田茂との交流、近代化の槌音(つちおと)響くサンフランシスコの喧噪、新婚旅行のような正子との豪華客船の旅、スイスでの優雅なスキーライフなど、30代の白洲次郎が心奮わせた風景や人物が鮮やかに蘇る」(担当者)
B5判・192ページ。3,520円。