FC町田ゼルビアの新社長に就任した藤田晋さんが12月20日、就任会見を開いた。
これまでクラブオーナーだった藤田さんは、社長に就任した理由について、「多額の資金を投入した責任を取るため、われわれが考える『スピード感』や『スケール感」を現場に直接声を伝えられる立場に立つ。来シーズンにJ2優勝し、J1昇格を目指す」などと説明。J1水準の予算で選手獲得を進めていると明かした。
藤田さんは過去、クラブ名を「FC町田トウキョウ」に変える意向を示したが、サポーターなどからの反対意見の噴出で改名を保留した経緯がある。「改名は撤回している」と藤田さん。
「経営参画した当時、イニエスタを招へいしたヴィッセル神戸(楽天)と同じ業界のサイバーエージェントがJリーグを盛り上げる補強をしてくれるのではないかという期待をすごく感じていた。そのための資金投入に見合う大勢を取らなければいけなかった。改名理由の半分はサーバーエージェントのファンづくりだったが、サポーターミーティングで非常に紛糾した。嫌われたら意味がないのでやめた」と説明。地域密着の姿勢を見せる。
昨シーズンの集客数はJ2リーグ平均以下。まずは町田が強いことを示し、町田市民や周辺の人を振り向かせることで集客増につなぐ、「グッドスパイラル」に乗せる考えだ。
今後の取り組みについて藤田さんは「心身ともに強い選手をしっかり集め、いつかJ1にいって強いチームだと証明した後は、世界のスターを取りたい。鹿島や浦和のように、『サッカーの街、町田』がゼルビアの活躍によって、街のイメージが良くなり、『かっこいい』というところまで持っていきたい」と意気込む。
ゼルビア代表取締役COOの上田武蔵さんは「町田ゼルビアの歴史・伝統を大切にしつつ、新しい風をクラブに取り入れることで、成長をより加速させる。『町田を世界へ』のビジョン通り、世界に誇れるクラブになるように精進する」と話す。