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相模原の交通不便地域で「グリーンスローモビリティ」テスト走行 「地域住民による運行」目指す

若葉台を走るグリーンスローモビリティ

若葉台を走るグリーンスローモビリティ

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 相模原市が1月18日、住宅団地「若葉台」(相模原市緑区若葉台)でグリーンスローモビリティのテスト走行を実施した。

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 グリーンスローモビリティは、時速20キロ未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービス。環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能なことから、高齢者の移動手段の確保や観光客の周遊に資する「新たなモビリティ」として期待されている。

 若葉台住宅は、建築家の故・黒川紀章さんがグランドデザインを手がけた標高約200メートルの高台にある戸建て住宅地。神奈川県の街並み100選に選ばれている。1976(昭和51)年から入居が始まり、現在約900世帯2100人が暮らしている。高齢化率は約56パーセントで市平均の2倍を超える。地区中心にあった食料品店が閉店し、自動車免許を返納する高齢者が増えるに従って、バス停までの移動、通院や日常の買い物を不便に感じる人が増えてきているという。

 グリーンスローモビリティのテスト走行は、身近な移動が困難になりつつある地域課題の解決策として、環境省の補助を受けて実施した。相模原市は、グリーンスローモビリティの運行を地域住民が自主的に行うことを想定していることから、テスト走行で地域住民の関心を喚起することを目的に据える。

 乗車した80歳代の女性は「免許を返納し、1人で暮らしている。通院している病院は路線バスだと遠回りなので、グリーンスローモビリティで対応してもらえると助かる。同乗した人と会話できて楽しい」と期待を寄せる。

 相模原市は4月以降、2カ月間の実証実験を2回行い、運行のルートや時間、運転手の担い手発掘、運行費用のねん出方法などを検討。2年後の本格稼働を目指すという。

 本村賢太郎市長は「市内各地で地域の実情に合った公共交通を考えていく。若葉台と新磯で行うグリーンスローモビリティが第一段。地域の活力で長く運行を続けられるようにしたい」と話す。

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