町田で銅版画家・中林忠良さんの展覧会-48年間の創作活動たどる

「1969-14 異端への傾斜I」(1969年、424×576ミリ)

「1969-14 異端への傾斜I」(1969年、424×576ミリ)

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 町田市立国際版画美術館(町田市原町田4)は6月27日より、「中村忠良銅版画展-すべて腐らないものはない-」を開催する。

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 中林さんは1937(昭和12)年東京生まれ。東京藝術大学絵画科に在学中、銅版画の詩人とも称された故駒井哲郎氏との出会いがきっかけとなり、銅版画の制作を開始。同大大学院版画専攻科を1965年に修了した。その後、毎日現代日本美術展(1966年)や日動版画グランプリ展(1973年)などで受賞。1989年に東京芸術大学美術学部教授に就任した。

 中林さんが用いる腐食銅版画技法(エッチング)は、酸によって金属が溶ける性質を利用したもの。「刻一刻と変容してゆくプロセス、朽ちてゆく情景が中村さんに『すべて腐らないものはない』という観念とその具体的なイメージを与え、そこにこそ強く魅せられた」(同館学芸員)。

 同展では、中林さんが銅版画と出会った1961年から現在に至る48年間の創作活動をたどる。創作の歩みを7つの局面に分け、版画集も加えた全135点を展示する。

 「作者が探求し続けている表現の核心に迫り、彼が一貫して求め続けている世界観とは何かを考えてみたい。この機会に、エッチングの魅力と表現の特質にも触れていただければ」(同館学芸員)。

 開館時間は、平日=10時~17時、土曜・日曜・祝日=10時~17時30分。観覧料は、一般=400円、高校・大学生・65歳以上=200円。展覧会初日は無料。月曜休館。8月2日まで。「作家を囲むギャラリートーク」(6月28日・7月19日)や「館長によるスペシャルトーク」(7月12日)なども予定。

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