「相模原市立美術館」核に文化芸術創造都市へ-検討委員会が提言書まとめる

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 日本金属工業相模原事業所跡地(相模原市大山町)内への建設が予定されている「市立美術館」について、相模原市美術館検討委員会は3月27日、提言書を市長に提出した。

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 同館の建設予定地は3 月、都市再生特別措置法に基づく民間都市再生事業計画の認定を受けた「日本金属工業相模原事業所跡地開発事業区域」(13万9,746平方メートル)内。敷地面積は約3.600平方メートル。相模原市が日本金属工業から無償譲渡を受けた。

 最寄りのJR橋本駅は、女子美術大学や多摩美術大学、東京造形大学の学生や教員がターミナルとして利用する「日本で最も美大生の集う街」(同委員会)。事業区域では、アリオ橋本などの商業施設(延べ床面積=約15万平方メートル)のほか、高層マンション(総戸数705戸)の建設計画が進められている。

 同委員会は約1年間、予定地の地理的条件や文化的環境、美術館運営に関わる今日的状況など、さまざまな角度から協議を行い、相模原市が目指す美術館の基本理念について、「人」「場」「市民文化」の3項目に集約。これを実現するため、美術館の「機能」と「特色ある活動」についての方向性をまとめた。

 提言書では、美術館の基本的機能(調査・研究、収集・保存、展示、教育普及)のほか、企業や大学と連携して、美術・デザインを介した新たな文化価値の創出や起業を促す文化振興や産業振興などにつながる事業を企画・実行し、市全域を文化芸術創造都市として性格づける「まちづくり」機能を加えるべきとしている。

 特色ある活動としては、市民生活に結びついた幅広い文化芸術のあり方を「相模原スタイル」として発信することや、美術系大学と連携して美術館活動への学生の積極的な参加を促進することなどを提言している。

 市は今後、シンポジウムやパブリックコメントの募集を行い、さらに検討を進める方針。

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