鶴見川沿いの田んぼで5月21日に田植えが行われ、小学生や保護者など約60人が参加した。主催は「大蔵の田んぼを育む会」。
自然あふれる貴重な田んぼを育み・守ることを目的に、小学校卒業生の保護者が中心となって結成された同会。地元の農家から借りた水田で、米を不耕起(ふこうき)栽培で育てる。
同会はこれまでに、不耕起移植栽培を提唱する岩澤信夫さん、世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した木村秋則さんを招いて講演会を開催。農薬を使わない稲作の方法に工夫を加えてきた。
「冬期湛水という、冬に田んぼに水を張る岩澤方式を続けているが、今回はその期間を短く、田んぼを乾かす期間を長くして『乾土効果』を図ることにした」と同会会員の川井さん。隣り合う田んぼと栽培方法が異なるため、水の調整に苦労したと振り返る。
苗は、町田市立大蔵小学校の授業で育てたものを使う。「昨年は、猛暑の影響で収量が著しく悪かった。今年は、低温や高温にも比較的強いとされている『ふさこがね』を栽培する」(川井さん)。
当日、参加者は同会会員や東京農業大学学生らのサポートを受けながらロープに沿って一列に並び、10アール(約300坪)の田んぼに2時間かけて、一本 一本手作業で苗を植えた。2人の子どもと初参加した30代の男性は「めったにできない体験をさせることができた。泥んこ遊びも楽しんだ。稲刈りにも参加できれば」と話していた。