ビオトープ・コンクールで町田の小学校を現地審査-地域連携アピール

つくし野小学校ではお金をかけず、既存設備を活用してビオトープ作りに取り組んでいる。メダカ池をチェックする佐野さん(手前)、田村校長。

つくし野小学校ではお金をかけず、既存設備を活用してビオトープ作りに取り組んでいる。メダカ池をチェックする佐野さん(手前)、田村校長。

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 町田市内の小学校で11月2日、日本生態系協会が主催する「全国学校ビオトープ・コンクール2009」の現地審査が行われた。

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 同コンクールは、学校や園庭ビオトープの優れた実践例を全国から集めて紹介することで、環境教育の推進や自然と共存する地域づくりに貢献することを目的に、1999年から隔年で開催されている。ビオトープは「本来、その地域に生息する野生の生き物たちが暮らす場所」という意味で生態空間を人為的に守り再生することを目的とする。

 6回目となる今回は、町田市内のつくし野小学校と鶴川第二小学校を含め、全国139校からの応募があった。現地審査当日、審査委員の佐野成範さん(埼玉県生態系保護協会主任研究員)がつくし野小学校(町田市つくし野2)を訪問し、田村健治校長の案内で校内のビオトープを視察した。

 同校の取り組みは2006年、田村校長が「正式な授業でも学校行事でもなく、任意の自由参加による課外活動によって自然と親しみ、自然を学び、一緒に校地を少しでも良い環境にしたい」とビオトーププロジェクトをスタート。地域有志や保護者の支援を集めて、校内でトンボ池の整備やカブトムシ御殿の建設、巣箱製作などの活動のほか、河川の水質調査、畑作などの校外活動を行ってきた。

 「トンボ池で捕まえたギンヤンマのヤゴが羽化する瞬間を子どもたちが観察したり、2年前に植菌したナメコが発生したり、継続して取り組んできた成果が出てきた」と田村校長は目を細める。プロジェクト参加者は年々増え、専門家や農家の協力を得て実施する月1回の体験会には80~100人が参加するようになった。活動がきっかけとなって、カブトムシを育て続けている人もいるという。

 審査後、佐野さんは「ビオトープの施設が立派でも活動がなかなか活性化せず、苦労している事例がある。つくし野小学校は、地域連携や保護者のサポートを受けて活動している点が評価できる」と話す。

 田村校長は「活動している人たちの励みになるよう、学校を起点に、かつてここにあった里山・畑・自然・歴史文化などの追体験を地域で行っていきたい。活動を通じて、命を大切にする教育を子どもたちにしていきたい」と抱負を語った。

 コンクールの審査結果は12月中旬に発表予定。

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