町田市と相模原市は5月23日、小田急多摩線延伸に向けた取り組みについての検討調査結果を公表し、3駅整備の場合、事業具体化の可能性があることを明らかにした。
同線の延伸は国の鉄道整備に関する基本計画で、「今後整備について検討すべき路線」に位置付けられている。JR相模原駅に隣接する相模総合補給廠の一部返還が2006年に基本合意されたことを契機に、両市は同年11月に「小田急多摩線延伸検討会」を設立、2009・2010年度に共同調査を行った。
整備路線は、小田急多摩線の唐木田駅(多摩市)から、町田市の上小山田地域と小山地域を経由して一部返還予定地を通り、JR相模原駅とJR上溝駅に接続する。延長は約8.8キロ。
調査結果によると、町田市の北部丘陵エリアに位置する中間駅(高架)、相模原駅(地下)、上溝駅(高架)の3駅を整備し、加算運賃100円、返還予定地の開発人口などの条件を設定した場合、累積資金収支が29年で黒字に転換する。
整備によって、新宿駅までのアクセス時間が小山田周辺から33分、相模原駅から17分、上溝駅から22分、それぞれ短縮される計算だが、加算運賃100円の場合、初乗り運賃が220円となる。
沿線のまちづくり、事業化を見据えた計画案の精査、財源の確保、関係者の合意形成が課題。両市は本年度、国や都道府県、鉄道事業者などで構成する委員会を立ち上げ、具体化に向けた検討、調整を行う予定。町田市都市計画課の担当者は「委員会の開催以外にも、地元説明会や意見交換会などを実施する。新駅開設で他の拠点をつぶすわけにはいかない。広範囲にわたっての調整が必要」と話す。
調査結果の概要は両市のホームページからダウンロードできる。