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特集

トーコーキッチン物語
#026「メニュー紹介(2):ちょっぴり、こども食堂? 日替わりキッズプレート」

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文教地区・淵野辺にあるちょっと変わった食堂。入りやすそうでいて、鍵がかかっていてトビラが開かない。なぜ、こんな場所が誕生したか?「まちの不動産屋さん」2代目が、ここを舞台に巻き起こる人間模様を語る連載コラム。

#026「メニュー紹介(2):ちょっぴり、こども食堂? 日替わりキッズプレート」

淵野辺で創業44年となる不動産屋の二代目、池田峰です。日本で一番「味どう?」と聞いている不動産屋です。当社、東郊住宅社が運営する入居者向け食堂「トーコーキッチン」にまつわるエトセトラをお話しさせていただきます。

トーコーキッチンは、東郊住宅社が淵野辺周辺で管理する1,600室の賃貸物件にお住まいのみなさんに利便性と健康的な食生活を提供すべく誕生した食堂です。年末年始の4日間を除く毎日、朝8時から夜8時まで通しで営業しています。11時まで提供される朝食は100円、11時以降の提供となる昼・夕食は500円。いずれもワンコインです。

そもそもは、進学にともなうお部屋探しで地方から来られたご家族の中で「新生活では食事のことが一番の心配」という声が年々増えているのを感じ、その一助になればと、入居者サービスとして食堂を運営することを着想しました。しかし、すでに入居者であるみなさんの顔を思い浮かべてみると、共働き世帯・ひとり親世帯が増えていることに気が付きました。

ならば、気軽に利用できる食事提供サービスの存在は働く女性にも喜んでいただけるのでは? お迎え帰りや休日のひとときなどに便利にご活用いただけるのでは? 

そう思い、お子さんと一緒の来店も想定して、子ども向けメニューもご用意しました。せっかく来てくれたのに、大人向けメニューばかりではあまりにも残念ですから。

それが、今回ご紹介するメニュー「本日のキッズプレート(300円)」です。大人向けメニュー同様、お母さんも安心して選んでいただけるような手づくりごはんでやさしい味付け。日替わりの献立となっています。

そして、お子さんの年代別に合わせた各種食器類やハイチェア、絵本なども用意しました。せっかく来てくれたのに、居心地悪くて退屈ではあまりにも残念ですから。

うれしいことに、今では、お迎え帰りにお子さんと一緒に夕ごはんを食べに立ち寄ってくださる方が何人もいます。朝はお子さんを送り出してから出勤までの「自分時間」の場所として、週末はご家族揃ってランチを楽しむ場所としてフル活用してくださる方もいます。ママ友と子ども連れで気兼ねなく会える場所として利用してくださる方もいます。

また、実際に入居者向け食堂として運用を開始したことによって初めて気が付くことができた、トーコーキッチンを有効活用してくれる大切な利用者の存在もありました。それは、留守番を任されるくらいの年齢のお子さんです。

こんなことがありました。ある小学5年生のエピソードです。

そのお子さんは夏休み期間中の昼時に週3~4日ほどトーコーキッチンに一人で来店し、お気に入りの日替わりキッズプレートを食べ、「ごちそうさまでした!」と笑顔でスタッフに挨拶をして帰っていました。聞けば、お母さんがパートに出る日には「トーコーキッチンでお昼ごはんを食べてね」と言って300円渡してくれるのだそうです。

住まいの近くにあるトーコーキッチンは、東郊住宅社が入居者のために自社運営している食堂で、顔見知りのスタッフが手づくりの料理を提供し、入店の際には入居者が持つカードキーが必要になる特別な空間だという点で、お母さんとしては安心してお子さんを食事させられる場所とご判断くださったそうです。

最近は、放課後に勉強をする中・高校生の姿も見受けられるようになったトーコーキッチン。先述の小学生のような事もあり、食堂で居合わせた入居者のみなさんの温かさや、そっと見守るスタッフたちの眼差しが織りなす空間は、なんだかちょっぴり「こども食堂」のよう?

【プロフィール】
池田峰(いけだ・みね)
有限会社東郊住宅社の二代目。管理物件1,600室の賃貸住宅入居者に向けた食堂「トーコーキッチン」を企画し、2015年12月より運営。毎日、朝食100円&昼・夕食500円で絶賛提供中。2016年度グッドデザイン・ベスト100およびグッドデザイン特別賞[地域づくり]受賞。幼い頃のぬり絵は間取り図。 東郊住宅社HP
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