文教地区・淵野辺にあるちょっと変わった食堂。入りやすそうでいて、鍵がかかっていてトビラが開かない。なぜ、こんな場所が誕生したか?「まちの不動産屋さん」2代目が、ここを舞台に巻き起こる人間模様を語る連載コラム。
淵野辺で創業46年となる不動産屋の二代目、池田峰です。日本で一番「味どう?」と聞いている不動産屋です。当社、東郊住宅社が運営する入居者向け食堂「トーコーキッチン」にまつわるエトセトラをお話しさせていただきます。
ある日、こんなつぶやきを見つけました。
TVでトーコーキッチンを見かけて喜んでくれている様子がひしひしと伝わってきます。彼女はいったいどうしたというのでしょうか?
トーコーキッチンは東郊住宅社が淵野辺エリアで管理する1,800室の賃貸物件にお住まいのみなさんに利便性と健康的な食生活を毎日提供するために生まれた食堂です。入居者サービスのため、店内に入るには入居者が持つ専用のカードキーが必要になります。
そこで、先ほどのつぶやきです。
2022年1月24日。テレビ朝日系列「ナニコレ珍百景」でトーコーキッチンが紹介された翌日のことです。番組を観た彼女は、まだ行ったことはないけれども自分が知るトーコーキッチンが映っていたことをうれしく思ってくださったのでしょう。翌日になっても冷めぬ思いを吐き出したい願望がついに極限まで達し、そして、世の中に向けてつぶやいたのです。
それを見つけたボクは、すぐさま彼女にこう返信しました。
「ありがとうございます。『初回に限り入居者以外の人もご利用可能』『入居者と同行すれば入居者以外の人もご利用可能』という特例がありますので、ぜひ今度ご利用ください!」
おかげさまで、今年で7年目を迎えたトーコーキッチン。運営開始以降、実際にこの特例を使って体験したトーコーキッチンを気に入り、自分で自由に使えるようになるためにと、東郊住宅社の管理物件入居者になってくださった方々がたくさんいらっしゃいます。
また中には、自らは引っ越しをしていないのにも関わらず、突如として東郊住宅社の管理物件入居者になった方々もいらっしゃいます。つまり、何をせずともトーコーキッチンの入店に必要なカードキーの保有者になるというミラクル(?)に遭遇した方々です。これは、お住まいの賃貸物件の管理会社が東郊住宅社へと変更されたことにより発生するのです。
以前、こんなことがありました。ある賃貸物件の管理会社が東郊住宅社に変更となる旨を入居者に通知したところ、それを伝え聞いたお母さまが当社に電話をくださったのです。
「娘のアパートの管理会社がTVで紹介されていたトーコーキッチンを運営する東郊住宅社に変わるって本当ですか? 食堂もうれしいですが、こういうことを考えてくれる管理会社の物件に娘を住まわせられることが親として本当にありがたくって、どうしてもこの喜びを直接伝えたかったんです! オーナーさんにも感謝です。オーナーさんには管理会社変更の御礼をお伝えください!」
ところで、トーコーキッチンはどんな風に利用されることが多いのでしょうか? やっぱり入居者本人の毎日の食事や、友人と楽しむ会食ばかりなのでしょうか?
答えは「ノー」です。
実は、わたしたちが想像していた以上にうれしく楽しいトーコーキッチン活用をしてくれている方々がたくさんいるのです。
でも、それはまた別のお話。