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AIで帰宅困難者を保護 町田のベンチャー企業が共同開発、社会実験も

実証実験の様子。スマホで撮影した人物の顔は自動的にモザイク処理される。

実証実験の様子。スマホで撮影した人物の顔は自動的にモザイク処理される。

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 町田市の中心市街地で9月27日、人工知能(AI)を活用した認知症高齢者の見守りサービス実用化に向けた実証実験が行われた。

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 スマートフォンのアプリを使って帰宅困難者を特定し、保護する仕組み。ディープラーニング(深層学習)による画像認識と行動認識技術を持つベンチャー企業「アジラ」(町田市中町1)と富士通が共同開発した。

 実証実験は、町田市と市内の認知症サポーターが協力。高齢者役・家族役・サポーター役の三役に分かれて、街なかをさまよう帰宅困難者らしき人を専用アプリで撮影。画像は事前登録した画像データと瞬時に照合。位置情報などが家族役の参加者に伝えられ、無事に「保護」された。

 個人情報への配慮から顔画像はモザイク処理し、スマートフォンにもデータを保存しない仕様。人工知能が服装から人物を特定する。特徴的な服装の場合、9割以上は正しい答えを出すという。「今回の成功でAIを活用した認知症高齢者の見守り体制の構築へ一歩前進できた」とアジラの木村大介代表。

 市内には約2万人の認知症サポーターが登録しているが、講習会後にどのように関わってもらうかが課題。市は地域のネットワークを構築し、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を継続することができるよう、見守りのための体制づくりを進めていくという。

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