町田駅周辺で最多10店舗を展開した老舗ジーンズショップ「マルカワ」(町田市原町田1)の市内最後の実店舗「本店」(原町田6)が3月21日に閉店する。
1948(昭和23年)創業の書店からスタートし、衣料品店などを経て1966(昭和41)年にジーンズ専門店へ転換。本店開設は1961(昭和36)年で当初は木造建築。1980(昭和55)年、現在のビルに建て替えられた。小田急百貨店町田店や旧東急ハンズ(現ミーナ町田)にも出店し、ファストファッションがなかった当時、町田の若者はいたるところにあった「マルカワ」と1店舗の「HEIWA-DO」で安価にカジュアルファッションを楽しんだ。
本店は、市内で最も地価が高い通りに面するビルの地下1階~地上5階にメンズ・レディースのボトムスを常時1万2000本取り揃えることがセールスポイントで、向かいに建つ「円形マック」とともに町田のランドマーク的存在。
閉店理由について、岩田英宏取締役 渉外・店舗開発部長は「コロナ禍の影響もある。ネット販売は好調で、収益向上を図るため、スピード感を持って経営判断をした結果」と説明する。同社は一昨年末から、市川店、阿佐ヶ谷パールセンター店、中目黒店など複数店舗を閉店している。
岩田部長は「本店開設から60年。オープン以来、ご愛好をいただき誠にありがとうございました。お客様の中には『初めてジーンズを買ったのがマルカワだった』『親子二代でマルカワに来ている』 と大変うれしいことを言ってもいただきました。今後は、座間店、湘南店、藤沢湘南台店など郊外の駐車場のある店舗で営業を続けていきます。本店の閉店により、ご不便、ご迷惑をお掛けしますが、今後もマルカワをご愛好くださいますようお願いいたします」とコメントを寄せている。
閉店後は賃貸ビルとして活用するという。