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「夏なのにビールが売れない」 町田の輸入ビール商社、危機感募らす

非保税倉庫に保管しているビール樽

非保税倉庫に保管しているビール樽

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 緊急事態宣言で飲食店が酒の提供を休止。輸入ビール専門商社「KOBATSUトレーディング」(町田市旭町2)の小林努社長は「業務用ビール樽の売り上げが8月に入ってピタッと止まった」と嘆く。

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 同社は2011年、町田で創業。プランク醸造所をメーンにドイツ・バイエルンビールを全国のビアバーやレストランに卸している。コロナ禍でビールの5月売り上げは、昨年比24パーセントに落ち込んだ。

 「どん底だった」という5月に比べて6~7月は3倍以上に復活しつつあったが、4度目の緊急事態宣言の発出で8月は、「5月以下に落ちそうなレベル」で、19カ月分に相当する在庫を抱える。コロナ前は約4カ月の想定販売量を輸入していたが、度々の緊急事態宣言で「まったく読みようがない」状況。同社が扱うビールを頼りに営業するビアバーもあり、樽から瓶へのシフトは難しいという。

 ビールの消費期限は日本に届いた時点から、一般的なビール=6カ月、高アルコールビール=9カ月。緊急事態宣言中に賞味期限を迎える可能性がある。非保税倉庫に保管しているため、廃棄しても納付済みの1リットルあたり200円の酒税は還付されない。「売り上げがないのに税金は前払い。当社のような小規模業者のキャッシュフローを苦しめている」と小林さん。

 「飲食店には、事業規模に応じた『協力金』を支給している。ならば、飲食店と密接な関係の酒類販売業者に対しても同様の補償をしてほしい。少なくとも緊急事態宣言期間中に賞味期限を迎えた商品は酒税の還付をすべきではないか」と訴える。国税庁と内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室に嘆願書を送ったが、進展はないという。

 業務用ビールの売れ行きを補うため、ネット通販で個人向けに瓶ビールやグッズ類を販売。窮状を訴えるYouTube配信もスタートした。「人々の生活に寄り添い、お祝い事など人生の大切な場面をより華やかなものにしてきたお酒を悪者にしないでほしい」(小林さん)

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