企画展「版画家たちの世界旅行ー古代エジプトから近未来都市まで」展が現在、町田市立国際版画美術館(町田市原町田4)で開かれている。
同展は、コロナ禍で展示期間が大幅に短縮された2021年の「#映える風景を探して」展を再構成し、20世紀以降の現代作品を加えた収蔵品企画展。
古代文明発祥の地であるエジプトから、多くの芸術家を魅了したイタリア、都市と自然が共存するイギリスやフランス、高層ビルの建ち並ぶアメリカ・ニューヨークまで400年の時を超える世界旅行を描いた版画作品などを紹介する。
展示は、「イタリアを目指す旅」「オリエントをめぐる旅」「絵になる風景を発見する旅」「都市に集う芸術家の旅」「現代の旅する芸術家」の5章で構成。出品作家は、ピーテル・ブリューゲル(父)、ユベール・ロベール、ウィリアム・ホガース、ウジェーヌ・ドラクロワ、J・M・W・ターナー、ジョン・コンスタブル、シャルル・メリヨン、ピエト・モンドリアンなど。出品点数は約160点。
「現代の旅する芸術家」では、世界各地で大規模なアート・プロジェクトを手がけたクリストとジャンヌ=クロードの芸術家夫婦と、ヨーロッパからアジア、南極までを旅した版画家ヨルク・シュマイサーを取り上げる。
担当学芸員は「インターネットとメディアが普及した今日、私たちは写真や映像を通じて疑似的な世界旅行を楽しむことができる。それでもさまざまな土地を旅して回り、現地で目にしたイメージから作品のテーマを得る芸術家は少なくない。彼らにとって旅での出会いや発見は創作活動に必要不可欠な要素だった」と解説する。
関連イベントとして、担当学芸員によるギャラリートーク、近隣大学によるプロムナードコンサート「音楽の世界を旅する」などを予定する。
開館時間は10時~17時(土曜・日曜・祝日は17時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜休館)。観覧料は、一般=800円、大学・高校生=400円、中学生以下無料。9月24日まで。