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町田で「森村誠一」回顧展 人気ミステリー作品誕生の背景に迫る

森村誠一さんの肖像画と語録

森村誠一さんの肖像画と語録

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 小説家 森村誠一さんの回顧展「小説(ミステリ)を生きた男の肖像」が現在、町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4)で開かれている。

「高層の死角」直筆原稿

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 森村さんは、770万部超のベストセラー「人間の証明」(1976年)、第15回江戸川乱歩賞を受賞した「高層の死角」(1969年)など数々の人気作を手掛け、1970年代まで文壇で軽んじられてきた大衆文学の地位向上に貢献。1991年から町田市内に居住し、2023年に逝去した。

 同展は没後1周年に合わせた企画で、同文学館での森村展は15年ぶり。森村さんが作品の中で描いた登場人物に焦点を当て、社会の歪みや人間の欲によって引き起こされる事件に向き合う姿や、ホテルマンから転身して亡くなる直前まで「小説家」でありたいと願った森村さんの実像に迫る。

 会場には、人気作品の直筆原稿や受賞トロフィー、関連映像などを展示。書評家・ユーチューバーの渡辺祐真(スケザネ)さんによる謎解き体験では、全問正解者に森村誠一旧蔵書から1冊進呈する。

 担当学芸員は「森村ファンは50歳代以上が多い。ただ、『人間の証明』が当時、劇場公開されたときには、若い人や女性も数多く鑑賞した。1970年代のスタイリッシュな雰囲気は、今の若い世代にも伝わることがあるのでは」と話す。

 関連企画として、大沢在昌さんの講演会、スケザネさんのミステリー入門講座、映画「人間の証明」の上映会などを予定する。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。観覧料は大人=600円、大学生・高校生=300円、中学生以下は無料。12月22日まで。

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