特集

ここにはたしか!
♯030 原町田大通り、都南デパート、グリーンポイント

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町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。

♯030 原町田大通り、都南デパート、グリーンポイント

こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。さて、「さよなら」の大ヒットで一躍武道館クラスの人気グループになったオフコースなんですが、1980年代に入ったころの日本の音楽シーンって、じつはけっこう激動期。レコード大賞とかオリコン順位みたいな分野では歌謡曲~ニューミュージック路線が本流なんだけれど、でも、ニューウェーヴとかテクノとかインディーズとか、あるいはフュージョンとかヒップホップとか、新しいタイプの音楽がいろいろ世の中に出てきて、私もたとえばY.M.O.とか、だんだんそういったほうがおもしろくなっちゃった。あっ、でも最後に買ったアルバム「I LOVE YOU」(1981年)の同タイトル曲は「やっぱ小田和正は凄ぇ!」と思いました。「ああ早く9月になればウォウウォウ~」って、なんのこっちゃ? ファンのあいだでは諸説あるようですが、この方はむかしからず~っと「9月っぽい名曲」をつくってきていたので(「僕の贈りもの」「秋の気配」「夏の終わり」etc.)、私的には「ついにオダヤン、ウォウウォウ~で9月を表現する域に達したのか」と、脱帽でした。

今回は連載の30回目。写真は2002年11月に開通した原町田大通りです。駅から歩いてきてセーフティボックスサルビアのところの赤信号で止められると、右手には新しいビル(アエタ)。角のチャタイムには今日も女子がタピオカの列をつくってて、でっ、信号の向こう側は質屋さんなんだが、しか~し、真っ赤な《CLUB 女神の神話 熟女》という看板が目立ってて...うぬぬ、ここにはたしか、都南デパートがあったはず。さすがに最近はこの通りが「分断道路」と呼ばれることもなさそうですが、しかし、昭和~平成初めのごちゃごちゃした原町田を覚えている古い人間からすると、このスッキリした風景は、いまだに、なんか、よそよそしく感じられて。

都南デパートってどんなだったっけ、とネット等でいろいろ調べてみました。1954年に町役場の跡地にでき、原町田大通りをつくるため2000年に解体されてしまった、いまの仲見世商店街のような通りだったのですが、これが、あんまり見つからないんですよ。2000年っていうと、デジタルカメラはだいぶ安くなってたけれど、まだ携帯電話で写真撮って、って時代のギリギリ前で、ブログやSNSも一般的じゃなかったし、そもそも、ふだん「あってあたりまえ」だと思っている風景を写真に撮ったり、しなかったしな~。町歩きのテレビ番組みたいのは1990年ぐらいからよく放映されるようになったんで、「ぶらり途中下車の旅」(1992年~)や「出没!アド街ック天国」(1995年~)にはばっちり残っていそうだけど...って、じつは都南デパートを紹介した「アド街」はビデオ録画した記憶がありまして、今回探してみたんだけど、DVDにしなかったかも(無念!)。

というわけで、おぼつかない自身の記憶と某巨大掲示板のカキコを頼りに都南デパートを思い出してみると...婦人服の「アストリア」と文具の「なかじま」のあいだにあった、一番街とパークアヴェニュー(以下PA)を繋ぐ屋根付き低層の商店街。PA側の角に「一龍」という味噌ラーメンの人気店があったけど、これは比較的新しいお店だったはず(父親に連れられていった)。真ん中あたりに「ルナ」というカップにこだわった喫茶店があって、ここは何度かいきました。あと、桜美林高校生だった妹が「グリーンポイント」というフランクフルトを焼いてる店によくいってた、と言ってたなぁ。あとは...スイマセン、ほんと、ただの通り道くらいにしか思ってなかったので、いまになって思い出そうとしても...いやあ、人の記憶なんて、ちゃんと記録してないとすぐに雲散するもんだと、びっくり。でっ、自分にびっくりしてるだけじゃ申し訳ないので、2ちゃんねるの《まちBBS》の過去ログで発見した素晴らしい書き込みを最後に紹介したいと思います。《■町田の昔を語ろうじゃん■第8節》スレッドへの167番目の「のら☆^∇゚)ノシ ◆NORAfmlIPI」さんが2005年03月12日に記した、【都南デパート不完全出店リスト】。以下は引用です。《紀久屋 ラーメン一龍 キノシタ食堂 グリル キノシタ コーヒー ルナー 鳥円 都南青果店 みよし水産 三崎のまぐろ 高梨肉店 餃子 三多楼 乾物 河原商店仮店舗 町田漢方堂薬局 むさしや化粧品 ムツアイ貴金属店 太陽電気 陶器小島町田店 おもちゃ日野屋 神奈川クリーニング おしゃれの店マルイ みくにや カトレア Porsche ブティック カツーン グリーンポイント》...キノシタ食堂と三多楼はこの書き込みでかろうじておぼろげに思い出しました。大感謝! ...しかし、いまの仲見世の人気振りやネット紹介数の多さを思うに、もし都南デパートが現存していたら、と。

【プロフィール】
多田洋一(ただ・よういち)
フリーランスのライター&編集者。雑誌での取材や映画/テレビドラマのノベライズ等。2010年より年1回、個人主宰の文芸創作誌「ウィッチンケア」を発行。第10号は2019年4月1日に発行!
http://witchenkare.blogspot.com/
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