特集

ここにはたしか!
♯042 マロニエ、カフェ ラ カシータ ハルディン、福ちゃん

  • 29

  •  

町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。

♯042 マロニエ、カフェ ラ カシータ ハルディン、福ちゃん

こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。ええと、ギタリストのCharの話をしておりますが、アイドル路線を邁進していたころ情報バラエティ「ぎんざNOW!」にレギュラー出演していた、というのが前回。それで、同番組は視聴者参加型の生放送でして、ある日制服の女子高生が「Charってキスしたことあるんですか?」と質問したんですよね。一瞬こわばったCharでしたが、持ち直して「ああ、100人くらいな」と。悲鳴が響くなか、ああ、この人にアイドルは無理だ、とブラウン管のこちらで強く感じたのでした。その後ほどなく予想は的中し、アイドルを「卒業」したCharは1978年にジョニー吉長(金子ノブアキとKenKenの父/故人)、ルイズルイス加部とジョニー、ルイス&チャー~ピンククラウドを結成...とここまで書いたものの、つい先々月、加部さんもお亡くなりになってしまい、こんなバカな逸話を紹介しながら、Charの心中を思うと胸が詰まります。

さて、写真は鶴川街道の「金井」と「金井東」交差点のあいだ。この地域は今年7月に住所整理があって「金井」と「金井町(かないまち...かないちょうって呼んでました、陳謝!)」とあらたな「金井ヶ丘」になった、のでしたっけ。鶴川駅に近い「金井入口」から藤の台団地が見えてくる「金井1丁目」までの4~5キロ、最近はアスリートの大迫傑選手(金井中学校出身)がむかし走っていたのかなぁ、なんて思いながら通りがかっているんですが、ここいらは食べ物屋さんがけっこう多彩。狭すぎるドアの「トレビノカフェ」とか、名前だけでお腹いっぱいになりそうな「立川マシマシロイヤルスープ」とか、某テレビ番組でハンバーグの達人と称されたシェフがいたという「シャーロックホームズ」とか。

でっ、写真内の「マ・メゾン」も黒胡椒がコロコロしているご隠居カレーがクセになる味です。こちらの店内には〈★SINCE 1994★〉と記された貼り紙などありまして、ではそれ以前は、と私的記憶を辿ると...「マロニエ」という名前が思い浮かぶのでした。たしか、1970年代の半ばごろに開店したのではなかったかしらん。まだ周囲がいまのように賑やかではなかった場所に、忽然と洒落た洋食屋さんができて、親に連れていってもらえるのが楽しみでした。頭付きのどでかいエビフライ(2尾)が、当時で1500円くらいだったんじゃなかったかな。「マ・メゾン」は2階だけれど「マロニエ」は1階だったような気もしていて(曖昧)...この建物の名称が「プラザマロニエ」なのは、かつての名残だったりするのでしょうか?

洋食系だと、神奈中「栗谷」バス停近くにある「カフェ ラ カシータ ハルディン」(〈jardin〉を「ハルディン」と読ませているから、シェフはスペイン料理に長けているのかな?)にもランチでときどきいきまして、なぜか、いつも「海の幸ドリア」一択。ほんとは夜もいっていろいろ食べたいのだけれど、お酒飲んだら帰宅が本数の少ないバス、あるいはタクシーというのがネックで、日中の駐車場が空いているときに、さくっと。お客さんは女性率...というか、新興住宅地のMadame(スペイン語)率高し。ゆったりランチのあとは近くの「ANT」でクロワッサンを、「GEORGE'S 玉川学園店」で雑貨を、薬師台の「そうてつローゼン」で夕ごはんの惣菜を買って帰るのかな~、なんて想像しますが...いやぁ、まさか私の住んでいる本町田より金井方面のほうがプチ煌びやかな感じになるとは。「マロニエ」ができたころなんて、夜は狸が横切りそうなくらい真っ暗だったんだぞ!

そして、鶴川方面に戻って「金井入口」交差点のところにある中華料理の「福ちゃん」。大学生のころ、町田市民病院にしばらく入院していて、退院したらとにかく熱々のラーメンが食べたくって、友だちのクルマでいったんですよ。味噌ラーメン、うまかったなぁ。いまは夜だけの営業みたいですが、当時は昼間もやってたという記憶が(同じ店だと思う)。あと、隣にある松浪美容室の外観には、信号待ちしたりするたびに、いつも癒やされています。緑色の文字で〈美しさを貴女に〉。「貴女」...ここでは「きじょ」じゃなくて「あなた」と読ませるんだろうな。むかし、同級生のO君が彼女にもらった手紙を見せてくれたんだけれど、「貴方」と書いてあるのを「あなた」ではなく「あなたがた」と読み違えてしまっていて、文面の意味がわからずに困ってたんだよなぁ(フラれてました)。

【プロフィール】
多田洋一(ただ・よういち)
フリーランスのライター&編集者。雑誌での取材や映画/テレビドラマのノベライズ等。2010年より年1回、個人主宰の文芸創作誌「ウィッチンケア」を発行。第11号は2021年4月1日に発行予定!
http://witchenkare.blogspot.com/
  • はてなブックマークに追加