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町田最後の釣り堀「常盤釣り堀センター」51年目に突入 2代目店主「体力の続く限り」

常盤釣り堀センターの室内池

常盤釣り堀センターの室内池

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 町田・尾根緑道下の釣り堀「常盤釣り堀センター」(町田市常盤町、TEL 042-797-1181)が51年目に突入した。2代目店主の小山泰明さん(44歳)は「体力の続く限り、この釣り堀を維持したい」と話す。

常盤釣り堀センター店主の小山さん

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 常盤釣り堀センターは1970(昭和45)年に開業。市議会議員だった小山さんの祖父が地域の憩いの場としてつくったという。今も開業当時の施設を維持し、緑道が残る多摩丘陵の湧水と地下水を池に循環させる。「魚のコンディションをよく保つためにも水が命」(小山さん)。

 敷地内には釣りの熟達度に対応した4つの池がある。30センチ以下の金魚、鯉、小ベラが泳ぐ「室内池」は初心者向け。夏場は、釣り糸を垂らすと即座に魚が食い付く。「よく釣れる」と口コミで評判になり、週末は小さな子どものいる家族が多く訪れる。

 小山さんは7年前、祖母から店主を引き継いだ。「子どもの頃の遊び場で、釣りを始めるきっかけになった場所。祖父の遺志を継ぐことにした」。店主となってからは、「たくさん釣ってもらいたい」と食いつきのいい元気な魚を維持するため、「魚にさわらない」「強い合わせをしない」などの独自ルールをつくった。初めての客一人ひとりにルールを説明したり、様子を見ながら釣り方を指南したりする。「人とコミュニケーションをとることが苦にならないので続けられる」

 かつては市内数カ所に釣り堀があり、その経営者が集まる「町田市釣連盟」ができるほど盛んだったという。「町田へら鮒センター」(南大谷)が2010年、50年の歴史に幕を下ろして市内最後の釣り堀となった。小山さんは釣り堀だけでは生計が立たないため、別の仕事にも就く。「息子は継がないだろうから、自分の体力が保たなくなったら終わる」。2年前に釣り堀の所有者が変わり、いつまで続けられるかは自分の意志で決められないという。

 「コロナ禍もあって、人との関わりがますます希薄になっている。ゲームやリモートのコミュニケーションはいいかも知れないが、口うるさい店主のいる『リアルな釣り堀』もあっていいと思っている(笑)」(小山さん)

 営業時間は9時~17時(16時受け付け終了)。火曜・水曜定休だが、平日は臨時休業もあるため、来店前の電話確認を勧める。料金は、室内池・1~2番池が1時間=900円、3時間=2,100円(以上、用具一式レンタル込み)、ヘラブナ池が半日=1,800円など。

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