多摩都市モノレールの町田方面への早期延伸を目指すシンポジウムで、「都が本年度中にルート決定」の見通しが示された。主催は町田商工会議所都市整備・まちづくり委員会。
小磯善彦都議会議員の見通しに関する発言を受け、石阪丈一町田市長は「決まったらルート上に看板を設置して機運を盛り上げたい」と話す。
交通政策審議会の答申で、「意義のあるプロジェクト」に位置付けられた同路線。概略ルートは多摩センターから小山田桜台団地や町田山崎団地を通りJR町田駅を結ぶ約13キロ。うち、導入空間が既に確保されているのは約7キロ。本年度末に策定する「町田市都市づくりのマスタープラン」はモノレール延伸を前提に、中心市街地リニューアルや団地再生などを目論む。
町田市民病院と芹ヶ谷公園を結ぶ都市計画道路3・3・36号線(約2キロ)は住宅地を抜ける道路整備未着手の区間。事業用地の取得に時間を要することが見込まれるため、市は2019年に「多摩都市モノレール町田延伸方面延伸加速化プロジェクト」を発足し、1000平方メートルの土地を先行取得した。現在までの実績はこの1件。
市民代表のパネリストは「モノレールの計画を知らない人が多い。『もうすぐできる』という情報を出せるといい」と指摘。基調講演したモノレール専門家の田村拓丸さんは北九州モノレールの事例を紹介し、町田延伸のポテンシャルを高く評価。13駅を想定して町田駅や市民病院駅などのイメージパースを披露。「実現には市民の盛り上がりが必要」と話す。
石阪市長は「中央線沿線の人にモノレールを使って箱根や小田原、湘南に遊びに行ってもらい、帰りに町田でお金を落としていただきたい」と期待を寄せる。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、シンポジウムは入場者数を制限して動画配信した。質問はメールに限定したが、来場者のひとりが「2032年はすぐ。夢物語ではなく現実的な話をしてほしい」と声を荒げた。