町田の天然酵母パン店「ピッコリーノ」が移転-創業者支援も

「ピッコリーノ」店内。スタッフはすべてパン教室の実習生。仕込みやメニュー作り方、接客方法を学んでいる。

「ピッコリーノ」店内。スタッフはすべてパン教室の実習生。仕込みやメニュー作り方、接客方法を学んでいる。

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 天然酵母パンの教室と販売を手がける「ピッコリーノ」(町田市南成瀬5、TEL 042-720-1717)が10月20日、JR成瀬駅そばに移転オープンした。

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 同店は1979(昭和54)年、鶴川駅前で創業。当初は、桜美林大学や和光大学の生協などにサンドイッチを納めていたが、2年後、ホシノ天然酵母パン種(小野路)と出会い天然酵母パンの製造を開始した。

 「当時、天然酵母パンは珍しく店頭では売れなかった。商品説明が大変だったので、売店をクローズし、宅配に切り替えた。大手のパン店と同じことはできないという思いもあった」と伊藤幹雄社長は振り返る。

 パンの材料は、天然酵母と国産ナンブ小麦、自然塩のみ。「天然酵母の魅力は、良い水と塩、小麦があればおいしくて、安全なパンがつくれること。酵母の培養には技術と経験が必要だが、添加物は一切必要ない」(伊藤社長)。

 同店のパンは口コミで人気となり、パン教室の先生などが教えを求めて来るようになった。「パン教室の開講は成り行きだったが、これまでに300人以上がカリキュラムを修了し、多くの人が店や教室をオープンした」という。パン作りテキストも3冊出版している。

 移転の理由は、東京都の経営革新計画の承認。前店舗では週1日だけ店頭販売を行っていたが、「同計画ではパンを日々販売することが必要だった。店舗実習のインターン制度を取り入れるため、アクセスの良い場所に移転。東京都がすすめる創業者支援策として、独立開業を目指すコースも新設した」。

 店舗面積は厨房を含め約33坪。ガラス張りの店舗は外部からパン作りの様子が見える。スタッフはすべてパン教室の実習生。仕込みやメニュー作り方、接客方法を学んでいる。商品は、山形食パン(400円)、バゲット(360円)、ホカッチャ(380円)、メロンパン(200円)など約35品。オープン2日間の客単価は約800円だった。

 今後の展開について、伊藤社長は「地域の人のための店になりたい。パン店の創業者も育てていきたい」と意気込みをみせる。

 営業時間は10時~17時。

※2012年11月25日にパン教室・ネット販売を一時停止。

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