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町田の伝統野菜「小山田ミツバ」出荷始まる-栽培農家は1軒のみ
(2009年12月26日)
鶴見川源流そばで栽培されている伝統野菜「小山田ミツバ」の出荷が始まった。町田市上小山田町で唯一残った栽培農家の田中仁司さんは「小山田ミツバは柔らかく、香り高いのが特徴。雑煮や茶わん蒸しのほか、卵とじやちょっとぜいたくにミツバをノリで巻いた『ミツバずし』がおいしい」と話す。
小山田のミツバ栽培は大正時代、田中さんの本家にあたる田中庫三さんが「冬でも現金収入が得られる作物を」と10年かけて、地形を生かした独特な栽培方法を開発したことから始まった。この功績により庫三さんは黄綬褒章を受賞している。
栽培方法は、春から秋にかけて畑で育てた根株を掘り取り、光を遮断して温度30度、湿度100%に保ったビニールハウス内の室(むろ)に伏せ込む。根株から伸びたミツバの葉が開くころに光を入れて緑色にし、茎を切り取る。根株からは4回収穫できる。昔は南斜面に掘った横穴を室として利用。地熱と太陽熱で生育環境を管理していた。
最盛期の昭和40年代には30ヘクタールあった畑は現在、8アール。ハウスの水耕栽培で大量生産する糸ミツバが主流となり、大きな労力と栽培期間を必要とする小山田ミツバは年々、減少の道をたどっている。「本家のおじいさんから引き継いだ小山田ミツバの火を消したくないという思いでやっている」と田中さん。
出荷先は地元生協で市場には出回らない。年末から年始にかけての販売価格は50グラム=250円ほど。「生育環境下で病気が発生しやすいが、農薬の使用は生協基準値。栽培が難しい。大量生産ができないことと、時期によって価格が大きく変動するため、スーパーや飲食店には出荷していない」(田中さん)。
出荷は3月まで。
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