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町田の文学館で「昆虫細密画」展 身近な虫の一生に着目

絵本作家・舘野鴻さん。約10倍に拡大した原画で細密な描き込みが分かる。

絵本作家・舘野鴻さん。約10倍に拡大した原画で細密な描き込みが分かる。

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 町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4)で現在、絵本作家・舘野鴻さんの作品展「ぼくの昆虫記-見つめた先にあったもの-」が開かれている。

舘野さんの原画

 舘野さんは1968(昭和43)年、神奈川県横浜市生まれ。絵本「ファーブル昆虫記の虫たち」で知られる熊田千佳慕さんの仲介で、生物調査に関わり生物画を描き始める。昆虫図鑑に写真が使われるようになり、多くの生物画家が廃業するなか、生態写真家の久保秀一さんの勧めで絵本の世界に入る。37歳から10年かけて全3作品を制作、「つちはんみょう」は第66回小学館児童出版文化賞を受賞した。

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 アトリエを構える秦野周辺の緑地や里山にいる虫を長い時間かけて観察し、水彩で描く。対象とする虫は身近でありながら、「カブトムシやクワガタとは違って人気がない」種。数千匹の卵を産みながら、わずかな数しか成虫になれない「つちはんみょう」、動物の死骸を栄養にして子育てをする「しでむし」、1年の内10カ月をさなぎで過ごす「ぎふちょう」の一生を淡々と描いた。

 展示は、「しでむし」「ぎふちょう」「つちはんみょう」の3作品を中心に、原画68点、細密画の制作過程を記録した動画、原画を拡大した壁絵などで構成。子ども向けの解説もつける。

 「私の作品は、『生き物の死体が出てきて生々しい。絵本としてありえない』と言われていた」と舘野さん。「今の子どもたちに、虫とのふれあいを通じて『命はつながっている』ことを感じてもらいたい」とも。今後10年を掛け、「がろあむし」など新たに3作品を制作するという。

 関連企画として、昆虫観察会、昆虫標本作成ワークショップ、ファーブル昆虫記DVD上映会、公開制作、トークイベントなどを予定する。

 開催時間は10時~17時。月曜・第2木曜休館(9月17日、9月24日は開館)。入場無料。9月24日まで。