町田の版画美術館で「ジョルジュ・ルオー展」-版画・絵画130点を展示

©ADAGP,Paris&SPDA,Tokyo, 2009.

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 町田市立国際版画美術館(町田市原町田4)は4月11日より、20世紀最大の宗教画家と評される美術家「ジョルジュ・ルオー」の展覧会を開催する。

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 ジョルジュ・ルオー(1871~1958)は、貧しい労働者の街で生まれ、敬虔(けいけん)なカトリック信者として生涯の大半をパリで過ごした。作品には深い信仰心と人間観が満ちあふれ、ごうまんな者への怒りや貧者・弱者への同情の念に導かれた独自の主題が貫かれている。

 ルオーの油彩画は重厚な質感(マチエール)で知られているが、版画でも際立った個性を見せる。人間同士の殺りくの場である戦争の罪深さをテーマにした「ミセレーレ」(1922~1927年)では、工夫を重ねた銅版画の技法によって版画でありながら重厚なマチエールを生み出すことに成功した。

 色彩にも深い関心を示し、専門の刷り師とともに銅版画による多色刷りを追求。その成果は、深みのある色彩表現が実現された「流れ星のサーカス」(1934~1935年)や「受難」(1935~1936年)などの作品に現われている。

 同展では、「ミセレーレ」「流れ星のサーカス」「受難」など、版画の代表作約110点と、版画と深いかかわりのある1940年代前半までの絵画約20点を展示。版画と絵画が一体となって繰り広げられたルオー芸術の本質に迫る。

 関連企画として、美術史家・高野禎子さんの講演会「ルオー絵画とブルターニュ」(4月5日)、同館館長のスペシャル・トーク(5月3日)などを行うほか、5月16日・6月6日に「リトグラフ刷り体験会」を開く。

 開催時間は、火曜~金曜=10時~17時、土曜・日曜・祝日=10時~17時30分。観覧料は、一般=800円、大高生=600円。展覧会初日と開館記念日(4月19日)は入場無料。6月14日まで。会期中の日曜は14時から学芸員によるギャラリートークを行う。

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