相模川のアユ釣りが6月1日に解禁された。相模原市内の高田橋周辺では同日13時ごろ、川岸や瀬に7~8人の釣り人の姿が見られたが、約15分の観察では釣果は確認できず、厳しい滑り出しとなった。
相模川第一漁業協同組合(相模原市中央区)の我妻竜雄代表理事組合長は、今季の状況について、「空梅雨のような少雨で、川底に泥がかぶったまま。昨年も大きな増水がなく、川の中が洗われていない」と話す。ダムの貯水量も少なく、放流量が抑えられていることから、「相模川本流の水量は少ないまま。田んぼの取水も重なり、さらに厳しい状況」と説明する。
アユは遡上しているものの、「川底が汚れているため石に付かず、上流部の緩い場所にたまっている」といい、「一度まとまった出水で川が洗われ、アユが下流に散ってくれれば」と期待を寄せる。「本来はダムによるフラッシュ放流で川を掃除するが、相模川では実施されていない」とも指摘する。
解禁日の釣況については、「朝は釣り人が入ったが、釣れずに早く引き揚げた人も多い」と話す。一方、毛バリ釣りでは「30匹ほど釣った人もいたが、例年より伸びていない」。近年は若年層の毛バリ釣りの増加も見られ、「小型のアユを天ぷらで味わえるこの時期を楽しみに来る人も多い」という。
神奈川県内水面漁業振興会の調査(社家取水管理事務所集計)によると、5月20日時点の相模川水系の遡上数は56万3806尾で、前年同期の222万5340尾を大きく下回った。同時期の累計比較では、2024年度は約482万尾、2023年度は約907万尾を記録しており、近年は減少傾向が続く。我妻組合長は「今年の天然遡上は例年の10分の1ほど」とし、「水量不足と川床の汚れが重なった負の連鎖」と分析する。
こうした環境変化に加え、台風被害後の河川改修で「瀬と淵の構造が失われた」影響も指摘する。淵が減少したことでアユの滞留場所が少なくなり、生育環境の悪化につながっているという。今季は釣り期間を10月末まで延長。我妻組合長は「川の環境が整えば状況は上向く可能性もある。天然アユの魅力を味わいに足を運んでほしい」と呼びかける。