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町田の遊休農地で「エコ野菜」づくり 直売で低価格維持

青木瑠璃さん、高橋祐司さん、愛犬「コハク」。農地の周りを犬と散歩することで、タヌキやハクビシンが寄り付きにくくなっているという

青木瑠璃さん、高橋祐司さん、愛犬「コハク」。農地の周りを犬と散歩することで、タヌキやハクビシンが寄り付きにくくなっているという

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 遊休農地を活用した無農薬野菜の栽培に取り組む「おおるりファーム」(町田市小山町)が、3年目の秋の収穫期を迎えた。

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 小野路の山々から横浜ランドマークタワーまでを一望できる南側斜面地を開墾した畑には、さまざまな生き物や雑草とともに色とりどりの野菜が力強く育っている。野菜はイベントやネットを通じて直接販売。中間コストを省くことでスーパーと同程度の価格を実現している。

 手掛けているのは、青木瑠璃さんと高橋祐司さん。都内では初となる農地あっせん事業(農地利用集積円滑化事業)が町田市で始まったことを機に、世田谷区からの移転を決意。農業研修を受け、それぞれイラストレーター、デザイナーから農業の道に飛び込んだ。

 2人がこだわったのは農薬と化学肥料を使わずに野菜を育てること。「化学合成農薬と化学肥料を使用していない」と東京都が認める「エコ100」を取得した。種から苗を育て、四季折々10種類以上を露地栽培する。一つの品種をたくさん作らないので、病虫害による大きな被害を受けにくいという。

 有機栽培は小規模経営に適していると高橋さん。「コスト競争で大規模農業にはかなわない。何より、安全な食べ物を真剣に求めている人がいる。彼らは私たちの農地を見に来てから購入するか決める」

 野菜は週に1回、町田~相模原エリアに限定して宅配。週末は近郊のイベントに出店する。始めた当初は販路に苦労したというが、現在は生産と供給のバランスが取れてきているという。今後の展開について、「有機栽培だと1ヘクタールが限界。その規模までは拡大したい」「地元に子ども食堂のような活動があれば協力したい」と明かす。

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