パレスチナ・イスラエル問題描く長編ドキュメンタリー、町田で上映へ

4時間半の長編ドキュメンタリー「ルート181」

4時間半の長編ドキュメンタリー「ルート181」

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 パレスチナ人とイスラエル人の2人の監督が共同して撮った長編ドキュメンタリー映画「ルート181」が11月29日、町田市民フォーラム(町田市原町田4)で上映される。主催は「STEP by STEP 平和」。

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 国連は1947年11月29日、パレスチナを二分するための分割線を国連決議181号として定めた。1948年、イスラエル建国によってパレスチナ住民の多くは追放され、この分割線の大半はイスラエルの土地となった。さらに1967年、イスラエルは西岸・ガザを占領し、パレスチナ全土を手中に収めた。

 同作品は分割決議案から55年後、イスラエル軍によるパレスチナへの侵攻と過酷な軍事占領が続くなか、パレスチナ人のクレイフィ監督とイスラエル人のシヴァン監督が、「ルート181」と名付けた架空の道をたどりながら、この地に住む人に出会い、暮らしや声、風土を丹念に写し取り、パレスチナをめぐる過去と現在の問題を浮き彫りにしたもの。「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2005」で最優秀賞を受賞し、アラブ映画祭と東京特別上映3日間の全回が満席となった。

 上映終了後には、現代アラブ文学が専門でパレスチナ情勢に詳しい京都大学大学院人間・環境学研究科准教授の岡真理さんが講演を行う。岡さんの著書には「アラブ・祈りとしての文学」(みすず書房、2008年刊行予定)、「棗椰子(なつめやし)の木陰の文学」(青土社、2006年)などがある。

 「STEP by STEP 平和」は町田市を拠点にパレスチナを知るための上映活動などを行う市民団体。昨年1月には、「ガーダ~パレスチナの詩」上映と古居みずえ監督のトークイベントを行い、10月には「アルナの子どもたち」と「Women in Struggle ~目線」を上映し、森沢典子さんと清末愛砂さんの講演を企画した。

 同団体の柏原登希子さんは「これまでの企画を通して、イスラエル人がどう考えているのか知りたいと思い、ルート181の上映を計画した。映画館などでは滅多に見ることができない4時間半の長編ドキュメンタリー。お茶などを飲んで休憩を取りながら、じっくり見ていただきたい。さらに岡さんの講演で、より立体的に理解できると思う」と期待を寄せる。

 開催時間は13時30分~20時30分。参加費は、一般=1,200円(前売り1,000円)、学生=1,000円(前売り800円)。前売り・問い合わせは、同団体(TEL 042-726-5326、メール tokiko-k@muf.biglobe.ne.jp)まで。チケットは久美堂本店(原町田6)でも販売する。

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