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町田のラーメン店「天国屋」4周年 波乱万丈の展開で行列店に

店主の佐々木昭一さん

店主の佐々木昭一さん

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 町田のラーメン店「超純水採麺 天国屋」(町田市金森4、TEL 042-799-4878)が11月23日、オープン4周年を迎えた。

天国屋のラーメン

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 最寄りの駅からバス圏の立地で、パチンコ店の敷地内にある同店。オープン前から行列ができ、小さい子ども連れの家族も目立つ。逆浸透膜浄水器で不純物を限りなく取り除いた「超純水」を使用し、シャモロック、阿波尾鶏(あわおどり)、ブロイラーのみを組み合わせて抽出したスープに、うま味調味料を使わないタレ、ストレート細麺を合わせて、「体に優しい、子どもが安心して食べられるラーメン」を提供する。

 「素材そのものの味を引き出すことができて、野菜や節類を使う必要がないのでコスト削減にもつながる」と店主の佐々木昭一さん。厚木のラーメン店で腕をみがき、数店の運営に関わり、不運に見舞われながら同地のラーメン店にたどり着く。

 「同じ場所で10年前に始めた『地獄ラーメン天国屋』はジャンク系。パチンコ客向けにうま味調味料を使ったパンチのあるラーメンを出していたが、方向性が見えなかった。4年前に思い切って、『淡麗系』に切り替え、東日本大震災の影響で水への不安もあったので、超純水を取り入れた」

 それでも最初の1年は客足が伸びず、以前のラーメンを求める客からは不評、レシピも鶏以外を加えるなど安定しなかったという。転機となったのは、パチンコ店の半年間の営業停止。「パチンコ客が来なくなって、『終わる』と覚悟したが、ガラの悪い客が減って家族連れの客が増えた。パチンコ店再開後に一気に客が増えたが、みんなマナーが良くなった。一見してガラの悪い客も食後はテーブルを拭いて出ていく。売り上げが伸びて、いい材料を使うことができるようになり、現在のスタイルになった」

 定番メニューは、鶏白醤油麺(800円)、鶏鮭塩麺(730円)などだが、ジャンキー系の地獄ラーメン(750円)も取り揃える。日替わりの限定メニューは、「鮮魚系」のほか、「ラーメンショップ」や「スガキヤ」のうま味調味料不使用のインスパイア系などユニークだ。

 「鮮魚系を始めたきっかけは、近所の聴覚障害の人が釣ったばかりのキンメダイをいきなり持ってきて、『これでラーメンを作ってほしい』というメモを残していったこと。魚のくさみを取り除き、かつ鍋物にならないように工夫した」

 これまでに約30種類の魚をラーメンにしたという。「一番話題になったのは80キロのアブラボウズを使ったラーメン。苦労して油抜きをしたら、『すごい』スープになった(笑)」

 客が来ない時期はひたすらラーメンの研究をしたという。「ラーメン作りは因数分解のように考えることができる。鶏と水のスープもまだまだ追求することがある」と佐々木さん。「店を広げたいという思いもあるが、これまでのノウハウを使って、ラーメン店を開きたいという人の手助けができれば」と話す。

 席数はカウンター15席、店舗面積は約15坪。営業時間は、11時30分~で曜日によって閉店時間が異なる。水曜定休。

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