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相模原の古物百貨店「A.T.P」が10周年-「ボヘミアン的」世界観で差別化

店内の様子

店内の様子

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 アンティーク家具や雑貨、ジャンクなどを販売する古物百貨店「ALL TOMORROW'S PARTIES」(相模原市中央区矢部1、TEL 042-776-8870)が昨年末、オープン10年目に入った。

店舗外観

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 2002年11月オープンの同店。店名は伝説的ロックバンド「ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の曲名から。「貧しい少女が人からもらった安物のドレスを着てパーティーに行く。けれど次の日のことを考えると悲しい気持ちになってしまうという歌詞。このバンドのようにスタンダード性のある店にしたかった。百貨店は『ハレの日に行く場所』という意味を込めた」と、代表の富岡栄二さん(37)は振り返る。

 富岡さんは15年前に古物商となり、廃業した店やオフィスなどを駆け回り、家具や厨房機器を仕入れては古物市場で売っていた。「リサイクルが市民権を得ていなかった時代。携帯電話と小型トラックだけで商売できた。ジプシー的な生き方が自分に合っていた。ミッドセンチュリー家具の流行期には、古物市場では(価値を)知っている人がいなかったため、安く仕入れてもうけた。『山のものを海で売り、山のものを海で売る』という商売の基本を身につけることができた」

 インターネットオークションの普及が転機になる。「誰もが品物を売買できるようになり、相場価格ができた。さらに大手資本の参入や買い取りサイトができて競合業者が増えた。リサイクル業がお金にならなくなり、自分の店で個性を売りにした商売をすることにした」

 店舗は先代まで経営していた国道16号沿いの建材店と倉庫を改装。店舗面積はカフェと倉庫を合わせて110坪。家具や食器、照明、絵画、彫刻、オーディオ、家電など、「さまざまな映画からインスピレーションを受けたボヘミアン的な品ぞろえ」という商品群は独特な世界観を放つ。「北欧スタイル風、天然生活風などの要望で店舗のデザインプロデュースを受けることもある。その店のインテリアを好きになった人が来店しても、品ぞろえからは空間をイメージできない(笑)」

 価格は「普通の人が少し背伸びすれば買える設定。都内の店と比べると安い」という。カフェは昨年3月にオープン。ブレンドコーヒーやスペシャリティコーヒー(300円~)、ビスケットなどを提供する。

 今後の展開について、「都内出店の話もあったが、ファッションの中心で流行を気にしながら商売するよりも、地元にこだわりたい。無機質な街はつまらない。商売人が個性を持って商売できる環境や店づくりに関わっていきたい」と話す。

 営業時間は12時~21時。水曜定休。

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